
ゴムローラーを拭き洗浄中
こんな方におすすめ
- ゴムローラーの手拭きによるインク洗浄方法をお調べの方
- どんな洗浄剤でゴムローラーを洗浄すれば良いか知りたい方
ゴムローラーのインク洗浄
お使いのローラーのゴム材質を確認する
まずはご自身でお使いのローラーのゴム材質をご確認下さい。
各ゴム材質の耐性がある適切な洗浄剤を使用すれば、洗浄による劣化が抑えられます。
NBRの場合
当社で販売している規格品の「平版ゴムローラー」や「ハンドゴムローラー」製品のゴム材質はNBR(ニトリルゴム)です。
NBRは耐油性が高く、耐溶剤性についても幅広く耐性があります。
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NBRゴムの耐性がある洗浄剤
・石油系溶剤全般
・プリントクリーナー
・エマルジョンタイプの洗浄剤(水+油)
・灯油
・リグロイン=ベンジン
・ホワイトガソリン=ナフサ
etc・・・
NBR材質は水にも耐性があります。
NBR以外のゴム材質の場合
ゴムローラーでも、NBR以外の製品が沢山流通しています。
天然ゴム、EPDM、スチレンゴム、ウレタンなどです。
それぞれ、ゴム特製が異なりますので、まずはご自身のお使いのゴムローラーの材質を認識できると、日頃の管理の仕方が見えてきます。
ココに注意
例えば、ウレタンですと油性インキは使用できますが、水に弱いため、水を使用するような洗浄方法は向きません。またEPDM材質は、そもそも耐油性が低いため油性インキ自体NGとなります。スチレンゴムも耐油性・耐溶剤性ともに低い材質です。
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NBR材質ゴムローラーのインク洗浄方法
ここでは、お使いのゴムローラーの材質がNBRの場合を前提に、インク洗浄方法についてご説明いたします。
用意するもの
用意するもの
・洗浄する対象のゴムローラー
・ゴムローラー洗浄剤 (プリントクリーナー、123クリーナーなど)
・ウェス (布きれ)
・耐溶剤手袋 (ダイローブなど)
当社でも溶剤用手袋を販売しております
「耐溶剤手袋」は、ホームセンターやネットショップなどでも簡単に手に入るかと思いますが、必要な場合は当社からも購入が可能です。
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作業中の注意点
ゴムローラーのインキ洗浄時に、有機溶剤を使用する場合、室内の換気をし、揮発した有害物質が滞留しないように、お気を付けください。
作業手順
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1溶剤用手袋を装着して下さい。
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2ウェスに「洗浄剤」を含ませます。
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3「洗浄剤」を含ませまたウェスで、ゴムローラーのインキを拭き取っていきます。
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4ウェスを綺麗な面に変えて、ゴム表面にインキ残りがなくなるまで吹き上げます。
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5綺麗なウェスで仕上げ拭きをして、ゴム表面に残った洗浄剤成分も拭き取り、インキ洗浄完了です。
NBRゴムローラーに適した洗浄剤は?
当社では、ゴムローラーの洗浄に適した、専用の洗浄剤のご使用をおすすめしております。
大切なゴムローラーを常にベストな状態で長持ちさせるには、やはりゴムローラー専門に研究・開発された製品をお勧め致します。
当社では、オフセット印刷業界の油性インキ洗浄で使用されているゴムローラー用の洗浄剤を販売しております。
1.2.3クリーナー (ゴムローラー専用洗浄剤)
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1.2.3クリーナー
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※1.2.3クリーナーにも、有害物質キシレンが若干量含まれておりますので、洗浄時は耐溶剤ゴム手袋の装着と、換気をお願い致します。
お客様からは、ゴムローラーの洗浄に、よく「ホワイトガソリン」と「灯油」を併用して使っているとお聞きすることがあります。
NBRゴム自体に「ホワイトガソリン」や「灯油」への耐性があるため、お使いいただくことについては問題ないです。
ただし、健康面への影響や火災の心配も考慮して、取扱いに注意していただけるとよろしいかと存じます。
ホワイトガソリンについて
「ホワイトガソリン」の成分としては、PRTR法で報告の義務が生じる濃度のベンゼン、キシレン、トルエン、ノルマルヘキサンが含まれています。
労働安全衛生法の有機溶剤中毒予防規則第 2 種有機溶剤に該当し、人体に有害な物質も含まれますので、取り扱いに注意が必要です。
また、「ホワイトガソリン」は危険物第 4 類第 1 石油類に分類されますので、火気には十分注意が必要です。
各メーカー品によって生成が異なる場合もあり、それぞれ製品ごとに安全データシートや取扱い注意事項などの確認をすることをオススメします。
灯油について
「灯油」は、危険物第4類第2石油類に分類されます。
前述の、「ホワイトガソリン」と同様に火気には十分注意が必要で、万が一、洗浄剤として使用するには、火災発生リスクに関して、考えなければなりません。
また、「灯油」にもトルエン、キシレンなどが含有されている場合もあり、使い方によっては有害なため、洗浄剤としての使用する際に、ご自身でリスクなどを考慮しておく必要があるかと存じます。
印刷工場などで使われている洗浄剤は?
当社は日頃よりオフセット印刷工場に、機械のゴムローラーの引取りや納品に出入りしております。
工場内では、大型多色機等のゴムローラーの洗浄や、ブランケットゴムの洗浄は、それぞれのゴム特性に適した専用の洗浄製品を使用しています。
オフセット印刷業界でも昭和50年頃までは「ホワイトガソリン」を「灯油」で割った物をよく使用していたそうですが、有規則やPL法などの規定もあり、今では殆ど使われていません。
作業効率性と健康面のバランスを考える
有規則とPRTR法
オフセット印刷工場では、溶剤を導入・購入する際に、「有機則」や「PRTR法」について対象の洗浄剤が該当するか確認をしています。
「有機則」は第一種、第ニ種、第三種、非該当と種類があり、非該当であれば健康面への被害が少ない成分で製品が構成されています。
近年は各企業がSDGsに取り組み、環境保全の観点から「PRTR法」非該当の洗浄剤製品へと積極的に切り替えが進んでいます。
もちろん、身体が資本で健康面が第一優先ですが、人体に影響が少ないような優しい成分の溶剤は、肝心な洗浄性が低く、作業効率の面で悩ましく思われる方もおり葛藤がある部分です。
価格面でも「有機則」「PRTR法」非該当品は、コストアップする傾向があります。
ジクロロメタンと健康被害
印刷現場では、2010年頃まで第二種に該当する「ジクロロメタン」が含有された洗浄剤が使われていました。
「ジクロロメタン」が含まれた製品は揮発性が高く、とても作業効率が良い洗浄剤なのですが、健康面で懸念点があります。
実際に第二種有機溶剤を通気性が悪い現場で日々作業・使用していた印刷関連企業にて、健康被害の事件が発生しています。
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