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UVオフセット印刷機のローラー【材質や交換時期】

高速印刷が可能なオフセット印刷機
高速印刷が可能なオフセット印刷機

こんな方におすすめ

  1. UVオフセット印刷機のゴムローラーの種類についてお調べの方
  2. UVオフセット印刷機用UV樹脂ロールの交換時期について確認されたい方
  3. UV樹脂材質以外でUV機用に採用できるゴムローラーをお探しの方

UVオフセット印刷機のローラー【材質と交換時期】

オフセット印刷枚葉機は「油性機」と「UV機」に分けられます。

本記事では「UVオフセット印刷機」に採用されているローラーについてご紹介致します。

ローラー材質の特性や管理方法、交換時期の目安などについても記載致しますので、よろしければご参考にして下さい。

UVオフセット印刷とは

UVオフセット印刷は、機上で印刷した直後にUV光を印刷物に照射することにより、専用のUVインキが硬化し、印刷物の短納期化を実現した印刷方式です。

従来の油性印刷機では実現しにくかった、インキ塗膜の厚みを増して、立体感を演出し付加価値のある印刷物を生産することも可能です。

また紙以外PETやPP(ポリプロピレン)などの特殊原反へも印刷ができます。

付加価値を付け競合印刷会社と差別化が可能

従来の油性オフセット印刷と比較して、短納期化を実現し、かつインキ速乾性をいかした印刷物の表現の幅が広がり、他社と差別化できるような付加価値を提供しやすくなります。

オフセットUV印刷機の種類

  • 従来のUVランプを使ったUV印刷
  • ハイブリッドUV印刷 

UVオフセット印刷機 | インキングローラーの材質

油性機では、一般的にインキングローラー・水ローラー共に「NBR」材質が採用されています。

しかし「NBR」材質のゴムローラーの場合は、UVインキに膨潤しやすい特性があります。

UVオフセット印刷機のインキングロールに使用される材質について、ご紹介致します。

UV樹脂材質

現在、日本国内で一般的に、UVオフセット印刷機メーカーでもインキングローラーに採用しているのは「UV樹脂」材質です。

理由は「UV樹脂」材質のローラーは、UV印刷専用のインキに対して膨潤を起こしにくいからです。

膨潤によるゴムローラーの形状変化が起こりにくいため、ニップ幅が狂いにくく、安定した印刷品質を実現できます。

デメリットとしましては、半年~1年以上、機械上に取り付けて稼働していくことで、加水分解を起こし、軟化し、最終的に長期運用するとドロドロに溶けてしまう点です。

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特殊合成ゴム材質

前述の通り、油性印刷で利用されている「NBR」材質のゴムローラーの場合は、UVインキに膨潤しやすい特性があります。

「樹脂」材質の場合は、膨潤という課題はクリアしてくれるのですが、軟化劣化するため、数年間の仕様にはリスクが伴います。

現在では、ゴムローラーメーカーの中には、UVインキへの耐性を高めて、ゴムの膨潤を抑えるように開発された「特殊ゴム」材質を販売・提供している会社もございます。

こちらの材質もメーカー実績が広がってきており、一定の評価を得られていますので、興味がございましたら当社から「樹脂」材質と共にご提案可能です。

UVオフセット印刷機 | インキングローラーの耐久性と劣化の仕方

UVオフセット印刷機のインキングローラーの交換目安について解説致します。

ここでは、日本国内のUV印刷機のインキングロールで一般的に採用される「UV樹脂」材質の場合でお話しさせていただきます。

オフセットUV印刷機 インキロール 交換目安管理

  • ロールを使用した「期間」で管理
  • ロールの「硬度」で管理

1.UV樹脂材質の場合の交換 | 交換目安の「期間」

オフセットUV印刷機の機械メーカー様では、日勤で約1年、24時間稼働の工場で半年を目安に交換を推奨しています。

「UV樹脂」材質は加水分解する性質がございます。
経年劣化すると軟化し、そのまま使い続けると、オフセット印刷機の機内でバーストするリスクがございます。

「UV樹脂」材質が機内でバーストすると、機械を停止し、樹脂材質を取り除く清掃作業に時間を割かなければならず、仕事が滞ってしまいます。

そのような材質の溶解・破裂のリスクを回避するためにも、交換目安の「期間」を社内・工場で設定し、管理することが大切です。

2.UV樹脂材質の場合の交換 | 交換目安の「硬度」

「期間」だけでなく、「硬度」で管理する方法もございます。

UV樹脂材質は経年劣化すると、材質が軟化していきます。

この性質は油性機で使用されるNBR材質とは真逆です

(NBR材質は経年劣化すると、ゴム材質が硬くなっていく傾向がある。)

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社内、部署、チームでUV樹脂ロールの硬度管理について方針を決めておくのも1つの方法です。

通常インキングロールの場合、新品時に硬度30度にて納品させていただくことが多いです。

機械取付・稼働させていくと、UV樹脂材質の硬度が30度から28度、26度と落ちていきます。

例えば交換目安硬度を25度や20度に設定し、その硬度まで落ちたら新品のロールに交換するようにします。

硬度が落ちて、手で触れた感覚でも柔らかさを感じる場合は加水分解が進んでいます。

加水分解が始まると、「UV樹脂」材質が溶解していくまでの時間がより早まっていきますので、注意が必要です。

UVオフセット印刷機 | 水ローラーの材質

水着ロールは、版面のUVインキと接触しますので、膨潤を軽減するために、「水棒用UV樹脂」材質、か「水棒用特殊NBR」材質が使われます。

水調量ロールは、給湿液(エッチ液)を水舟から引きあげていく役割があり、UVインキの影響は受けずらいため、油性オフセット印刷と同じ「水棒用NBR」材質が採用されるケースが多いです。

オフセットUV機 水ローラーの交換 | 交換目安の「期間」

印刷会社様の1日あたりの稼働時間によって異なりますので一概には申し上げられません。

当社顧客の実績で言いますと下表程度の期間での交換が多いです。

オフセットUV機 水ローラーの交換

【24時間稼働の印刷工場の場合】

  • 3か月に1回程度 交換
  • 半年に1回程度 交換

【日勤稼働の印刷工場の場合】

  • 半年に1回程度 交換
  • 1年に1回程度 交換

UVオフセット印刷機 | ゴミ取りローラー

ヒッキー対策のローラー
ヒッキー対策のローラー

UV機でもゴミ取りロールを使用することが可能です。

紙粉やヒッキーでお困りの印刷会社様のトラブル解決に貢献できるローラー製品です。

基本的には第一着けインキングローラーを特殊ゴミ取りロール仕様に変更して、活用します。

お客様によってことなりますが、4色機以上の多色機であれば、下の表のように特定の色胴に装着して使用されます。

ゴミ取りロールを多色機のどの胴に搭載させる?

  • スミ胴のみ
  • スミ胴、シアン胴、マゼンタ胴
  • CMYK全ての胴 

お客様のトラブルへの考え方、ご予算の都合によって使われる本数は異なります。
上の表で言えば、1胴だけ使用するよりも、4胴全てで搭載した方が効果は高まります。
ただし、ゴミ取りロールは通常のゴムロールよりも高価なため、コストと効果のバランスを自社で検討される必要があるかと思います。

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ゴースト対策もできるゴミ取りローラーもあります

特殊な揺動ローラーでヒッキーや紙粉対策はもちろん、ゴースト発生率を軽減できるようなロール製品の取扱いもございます。

UV用ローラーの納期

UV印刷機用のローラーの製作納期は下の通りです。

巻替え | インキングローラー

オフセットUV機用インキングローラーは前述の通り「UV用樹脂材質」が採用されることが一般的です。

「UV用樹脂材質」の場合、中古品を引取りして、ゴム巻替えを行うと、製作納期は約40~50日程度かかります。

インキ着けロールなどの一部には横振り・揺動機能が付加されている鉄芯の場合があります。

もしこのような揺動芯の場合は、巻替えにプラス5~10日程度余計にかかりますので、ご注意下さい。

製作納期はゴムロールメーカーによって違う

製作納期はゴムローラーメーカーの製品・材質によってことなります。
メーカーによって「UV樹脂」材質でも揺動しない通常芯のインキローラーで約30日程度にて巻替え対応できる場合もございます。
(ただし、工場の状況にもよります。)

巻替え | 水ローラー

水ローラーの場合、「UV用樹脂」材質、または「NBR」材質が採用されます。

どちらの材質もゴム巻替えに、約45~60日程度日数を頂戴致しております。

交換方式 | インキングローラー&水ローラー

小森コーポレーション社、ハイデルベルク社などオフセット印刷機械メーカー様で各種ローラーの在庫を用意している場合もございます。

「交換方式」と呼ばれる注文方法で、注文後に在庫があれば数日~1、2週間程度でロールを工場へ納品してくれます。

通常の「巻替え」による注文方法よりもコスト高になりますが、急にロールが必要になった場合などにも、とても便利なサービスです。

対象ロール製品の在庫取扱いについて

基本的には、かなり特殊な仕様のロールや、マイナーな機種の場合は、メーカー様で在庫の取扱をしないことが多いです。
交換方式の注文方法をご検討の場合は、自社の対象ロール製品について、メーカー様が在庫を持っているか、確認をされてみてください。

お問い合わせはコチラからどうぞ

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