
こんな方におすすめ
- ウレタン系UV樹脂材質の特徴についてお調べの方
- UV硬化系のインキやニス、接着材などの塗布・塗工目的でロール仕様をお考えの方
- UV樹脂材質ロールのメリットとデメリットを確認されたい方
樹脂材質の特徴
~オフセットUV印刷機のローラー材質として活躍~
オフセットUV印刷機のユーザー様をはじめとして、樹脂材質のローラーも提供させていただいております。
当記事では、樹脂材質の特徴をご紹介致します。
なぜNBR(合成ゴム)ではなく、樹脂を採用するのか?

オフセットUV印刷機のインキロールは、「NBR(合成ゴム)」ではなく、「樹脂」材質が使われることが一般的です。
理由は、UV印刷用のインキ成分や、UVインキ用洗浄剤に対して、「NBR(合成ゴム)」では膨潤率が高いからです。
オフセットUV印刷機内には沢山のローラーが搭載されていますが、ゴムロールが膨潤すると、ローラーとローラーの間のニップ(ロール間の当たり)が、正しい設定からズレてしまいます。
オフセット印刷では、インキや水の供給量について、非常に繊細ですので、ニップ調整が思った通りにできないと印刷品質の管理が難しくなります。
そこでUVインキや、UVインキ用洗浄剤に対して、優れた耐膨潤性を持った「樹脂」材質が活躍します。
「樹脂」材質のメリット
UV用の塗料や洗浄剤に耐性がある
前述の通り、UVインキや、UVインキ用洗浄への耐性・耐膨潤性が高いのがメリットの1つです。
メーカーの製品開発・改良が、現在進行形で進んでいる
オフセット印刷業界においては、印刷会社様が油性機よりも、UV印刷機を新台で導入されるケースが増えてきております。
UV印刷機の導入は、印刷物の付加価値を高めたり、短納期化による生産性向上を実現することができます。
それに伴って、印刷用ゴムローラーメーカー各社もしのぎを削って、従来の油性用「ゴム」材質に加え、UV用「樹脂」材質の製品開発が盛んに行われています。
メーカー各社の取引量が増えてきたことにより、「樹脂」材質についての有益な情報も、集まり易くなりました。
「樹脂」材質のデメリット
加水分解する材質

「樹脂」材質は、ポリウレタン系材質のため、加水分解を起こします。
温度や湿度の変化に弱く、水と反応して、樹脂材質が化学反応すると軟化し、やがて溶けていく現象が発生します。
そのため、オフセットUV印刷機のユーザー様の工場でも、主にインキングローラーとして採用されている樹脂ローラーの「管理」と「定期的な交換」がとても重要です。
「管理」と「定期的な交換」を怠ると、「樹脂」材質のインキングローラーの劣化により、やがて溶解・バーストし、機械内に「樹脂」材質が散乱します。
こうなると、印刷の仕事をストップし、機械内の清掃とメンテナンスに時間を割くことになり、結果的に大きな損失を生むことになりかねません。
価格面
メーカーにもよりますが、通常では「NBR(合成ゴム)」材質と比較して、「樹脂」材質の方が、高価となります。
「樹脂」材質は、加水分解を引き起こして軟化劣化する特徴があり、耐久面でも「NBR(合成ゴム)」材質に劣ります。
ランニングコストの面で考えても、「樹脂」材質の方が割高になる可能性が高いです。
基本的な製造方法
「ウレタン」材質と同様で、型に樹脂素材を流して、成形します。
成型後は、指定の寸法まで研磨して仕上げるのが一般的な製法です。
ご提供可能な硬度
硬度は15度~60度まで、5度ずつ指定していただくことが可能です。
硬度が高くなるほど、物性は高まります。
UV印刷機でよく利用される硬度
オフセットUV印刷機のインキングローラーでは通常、硬度30度品が採用されています。
UV機のインキ呼出ローラーなどは、物性を上げるために、あえて35度程度まで硬度を上げて使う方法もございます。

UV機のインキ呼出ローラーについて、経年劣化すると樹脂材質が剥がれて、欠けてしまうような損傷の仕方をすることがございます。
樹脂材質特有の欠けてしまうような損傷は、もちろん加水分解に因るところが大きいのですが、樹脂材質は合成ゴム(NBR)材質と比較して物性が弱いことも、一つの要因かと思われます。
軟質材質
最も柔らかい硬度は15度をご提供可能です。
メーカーによって提供できる最低硬度は異なります
メーカーによっては最低硬度が異なり、硬度15度品を製作・提供できない製作会社もございます。
硬質材質
一番硬い硬度は60度程度となります。
表面加工

「樹脂」材質の表面に、溝を切るなどの加工を施すことが可能です。
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製作納期
メーカーにもよりますが、一般的に約40日程度の製作日数が必要です。
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