- ゴム硬度の計測方法について知りたい方
- 硬度の度数がどれくらいであれば、使い易いゴムローラーなのかをお調べの方
- 版画・印刷ロールの中では、硬めのゴムローラーを使いたい方
ゴムローラーの「硬度」について
当記事では、ゴムローラーの硬度について、解説させていただきます。
印刷業界や版画業界で使用するゴムローラーのゴム硬度は、おおむね軟質15度~硬質45度です。圧着用や工業用では50度以上の硬質ローラーが用いられることも多いです。
ゴム硬度の計測方法の決まり
ゴムの硬度は、JIS規格 ( 日本産業規格 ) に定められた試験器具と試験片を使って、指定の試験方法に基づいて測定しなければなりません。
参考 / 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方
− JIS K 6253-3:2012 http://kikakurui.com/k6/K6253-3-2012-01.html
ゴムローラーには公差がある
人の指でゴム面を圧して分かるゴム硬度差はやっと10°前後。
(ゴム硬度差プラス・マイナス5°)
JIS規格でもこの範囲は可となっています。
当社のゴム硬度計でも圧し方のバランスで5°の差はなかなか計測数が出ません。
ゴムメーカーに30°(中質)ゴム巻きを依頼すると、仕上がりが27°~34°の範囲に収まっています。
当社が規格品(在庫品)としてご用意しているゴム硬度
当社では、NEW平版ゴムローラーやゴム手ローラーといった規格品製品を、軟質・中質・硬質の3タイプに分類して、製品を販売しております。
- 赤茶色 : 軟質 20度
- 青色 : 中質 30度
- 薄緑 : 硬質 45度
※硬質品は白色の場合もございます。
規格品でも、ゴム手ローラー幅3cm品や、平版ゴムローラー(アルミ)といった製品は中質30度品のみ在庫があり、軟質品や硬質品は受注製品となります。このように一部製品は、特定の硬度のみ「規格品」としてご用意している場合もございますので、ご留意下さいませ。
よくご購入いただくゴムローラーはどのくらいの硬度?
規格品としてご用意している、硬度 3タイプの年間販売数の内訳ですが、平版ゴムローラーやゴム手ローラーの年間出荷数の内、約5~6割程度が中質品(硬度30度)となります。
ただし、下記の通り、お客様のご用途によって適切な製品硬度は異なりますので、ご参考にしていただけますと幸いです。
ゴムローラーの用途によって適切な硬度がある
同じインクの量でも硬いゴムはインクの盛りが少な目、軟らかいゴムはインクの含みも多めで、軟質ローラーの場合には当然刷り版の溝に深くにインクを盛れます。
この反対が硬質ローラーです。
ローラーを使ってフィルムやシートなどを貼ったり、圧着関係で使用する場合は、硬質ローラーの方が、軟質ローラーよりも、力を入れないで、対象に圧力をかけることができるため、使い勝手が良いとお声をいただきます。
ただし圧着する媒体が繊細な物であったり、傷が付かないよう注意する必要があるようなケースでは、軟質ゴムの方がゴムのクッション性があるため適している場合もございます。
リトグラフ
中質30度品は、汎用性が高く、お求めいただくことが多いです。
ただし、作家様の作品によって適切な硬度のローラーは異なります。
例えば細い線が多く、かなり繊細なデザインの場合は、インキを盛りすぎてしまうと線がつぶれてしまいますので、このケースでは「硬質」ローラーの方が適している可能性が高いです。
逆にベタが画面の多くを占める場合は「軟質」ローラーを使えばインキをしっかりと乗せてあげることで擦れやインキ供給不足を招きにくくなります。
版画技術のヘイター法
版画技法の刷りの一種 『ヘイター法』では硬・軟の2種類のローラーを使い、ゴムの硬度差を利用して作品を刷る方法です。
例えば、この方法を利用される刷り師の方には、軟質・硬質ローラーを、それぞれ、ご購入いただいております。
謄写版 / ガリ版
謄写版(ガリ版)の刷り師の方には、軟質のローラーが使い易いようです。
圧着用途
前述の通り、フィルム・シール貼りなどの工業用ローラーとしては、硬質ローラーが使い易く好まれております。
オフセット印刷
オフセット印刷機の油性用インキゴムローラーの場合、硬度30度が使われることが一般的です。
練ローラーなど、インキをよく練るための目的があるローラーに関しては35度程度まで硬度を上げて製作・ご提供することもございます。
水元・水調量ローラーなどの水棒については硬度がインキロールより柔らかく25度程度のゴムロールが搭載されています。
上記で問題があれば、お客様によって各トラブルを解消する目的で、硬度を上下5度程度変更して対応することもございます。
中質30度とは、どのぐらいの硬さなの?
よく皆様より、中質30°は どの程度の硬さなのか?と質問をいただきます。
一番、身近で分かり易い物だと、市販の消しゴムの硬度が約30度です。
下のリンク内のページでは、ゴム硬度を身近な物で表しており、分かり易いかと思います。
ご参考にして下さい。
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