
こんな方におすすめ
- オフセット印刷機のゴムローラーについて、材質や種類を知りたい
- オフセット印刷機ローラーのゴム硬度について調べたい
オフセット印刷機で使用されるゴムローラー
新聞や書籍、チラシなどを印刷するオフセット印刷機には、ゴムタイプや金属タイプのローラーが何本も搭載されており、それぞれがインキを練ったり、運んだりする役目を果たしています。
本記事では、オフセット印刷機内のゴムローラーについてご紹介させていただきます。
そもそもオフセット印刷とは?

オフセット印刷とは、版(ハンコ)の画像を直接、紙に印刷するのではなく、一度、「ブランケット」というゴムシートに絵柄を転写し、その「ブランケット」に移った絵柄を紙に刷る印刷方式です。
版画家の方、特にリトグラフ作家の方は良くご存じかと思いますが、オフセット印刷も「水」と「油分」が反発する性質を用いた印刷技術です。
ブランケットに一旦「オフ」して、ブランケットから紙に印刷=「セット」するから、オフセット印刷と名付けられたそうです。

オフセット印刷で刷られた印刷物はどんなものがあるでしょうか?
私たちに身近なものですと、例えば、新聞やチラシ、書籍、店舗の販促品などが該当します。
オフセット印刷機 ゴムローラーの材質
オフセット印刷機には、油性インキを使う「油性機」と、印刷後にUV照射してインキを硬化させる「UV機」の2種類があります。
一般的に、油性印刷機では、ニトリルブタジエンゴム(NBR)材質のゴムローラーが搭載されています。
またUV印刷機の場合、インキングロールや水着ロールにUV樹脂材質が採用されていることが多いです。
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オフセット印刷機 ゴムローラーの種類
オフセット印刷機のゴムローラーは、大きく分類すると、「インキングローラー」と「給水ローラー」の2種類があります。
ローラーの種類 | インキングローラー
その名の通り、インキを運んだり、練ったり、版に着けたりするゴムローラーです。
下のような、ローラーの種類があります。
オフセット印刷枚葉機の場合、通常は1胴につき10本前後のインキングローラーが搭載されております。
ゴミ取りローラー
インキングロールのうち、ヒッキーや紙粉対策として、版に近い着けロール1本をゴミ取りロール仕様に変更するケースもございます。
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ローラーの種類 | 給水ローラー
オフセット印刷機の湿し水を版まで量を調整しながら運ぶゴムローラーです。
業界では、「水ローラー」や「水棒(すいぼう)」と呼ばれています。
下のような、ローラーの種類がございます。
水元ローラーは、調量ローラーとも呼ばれています。
印刷品質に影響を与えるという意味では、インキローラーと比較して給水ローラーの方がより採用品の選定に慎重さが必要です。
ローラーの種類 | 金属ローラー
ゴムローラーの間にインキを練ったり、ならしたりするための金属ローラーが搭載されています。
材質は機械メーカーや機種によって異なります。
一般的には、リルサンローラー、銅ローラー、メッキローラーなどが搭載されていることが多いです。
当社にてこのような金属ローラーの修理や加工も可能です。
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ゴムローラーの交換・注文方法は?
オフセット印刷機のゴムローラーは、印刷を続けていくと経年劣化してインキの転移が悪くなったり、水の調整が難しくなります。
そのため、定期的に劣化したゴムローラーを新品に交換する必要があります。
交換頻度は、稼働数、仕事量、そして、それぞれの印刷会社様の考え方があり、一概には言えません。
きっちり半年や、1年に一回交換を励行していらっしゃるユーザー様もいらっしゃいますし、使える限界まで可能な限り稼働させる工場もあります。
交換方法は下の2種類ございます。
巻替え
古くなったゴムローラーを当社が引取り、古いゴムを剥がして、新しいゴムを巻く方式を業界では「巻替え」と呼ばれています。
巻替えは、ゴム部分だけ新しくしますので、鉄芯部は、長年使い続けることができます。
巻替え方式のデメリットを挙げるとすれば、予備のゴムローラーを工場で保管しておかなければならない点です。
NBR材質の巻替えは、メーカーや製品にもよりますが、製作期間が最低でも1ヵ月程度、長くて2ヵ月程度かかるケースがございます。
そのため、予備を置いておかないと、上記の期間は機械を稼働させることができなくなってしまいます。
通常、新台購入時に、機械メーカーが予備のローラーも数セット用意して機械と一緒に納めてくれますので、その予備芯を使って運用していきます。
交換方式
交換方式という方法もございます。
この方式は印刷機種が限られますが、ゴムローラーメーカーに注文すると、既に新品のゴムが巻かれた状態の完成品を、短納期で納めてくれるサービスです。
鉄芯ごと新品のゴムロールを納めてもらい、中古品ゴムローラーを鉄芯ごと返却するというかたちでローラーメーカーに引き渡す流れです。
予備のローラーを工場に置いておかなくても運用が可能になるため、例えば都内の敷地面積が狭い工場など、予備ロールの保管スペースも確保しにくい現場で喜ばれるサービスです。
また短納期でロールを納められるため、緊急時に活用するお客様もいらっしゃいます。
価格面では、通常、「巻替方式」の方がコストが安く、「交換方式」の方が割高となります。
また機械のメーカー・機種によって、ローラーメーカーがローラー芯の持ち合わせがなく、交換方式に対応できないケースも多いです。
当社実績
当社で近年お受けした案件は、下記のような機種が多いです。
もちろん下記以外の機種でも対応可能ですので、気軽にお声がけ下さい。
オフセット印刷機 ローラー以外の資材の取扱
当社ではゴムローラー以外にも、オフセット印刷機向けの消耗品や資材を取扱い、販売しております。
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