
「シリコンローラー」は、フィルム搬送、塗布作業、食品加工など幅広いシーンで活躍する万能型ローラーです。
その理由は、優れた“耐熱性・耐寒性・離型性・絶縁性”を兼ね備え、安全で高機能な素材だから。本記事では、最新技術と実例をもとに、シリコンローラーの特徴・用途・選び方を徹底解説します。
- シリコンゴムローラーの製造・巻替え発注をご検討の方
- シリコンゴム材質の特性・特徴についてお調べの方
- 強度を高めたり、離型性を高めたシリコン材質の取扱について知りたい方
シリコンローラーとは?
シリコンローラーは、耐熱性・耐寒性・離型性・絶縁性に優れた特殊ゴムローラーです。
エレクトロニクス、自動車、医療、食品など幅広い産業分野で使用されており、特に食品用としても安全性が高い点が大きな特徴です。
シリコンローラーが選ばれる理由
優れた離型性
フィルムや紙の巻きつきを防ぎ、安定した搬送を可能にします。薄紙・粘着剤を扱う現場でもトラブルを軽減します。
耐熱性
連続使用150℃、最大200℃まで耐えられる材質もご提供可能です。
加熱工程やラミネート加工に最適です。
メーカーによって異なりますが、NBR材質の耐熱温度は約90度程度、ウレタン材質が70度程度です。
比較するとシリコンの耐熱性能の高さが分かります。
メーカーのシリコン材質の種類によって耐熱温度は異なりますのでご注意下さい。
耐寒性
マイナス70℃でも硬化せず、冷凍環境や低温搬送にも活用できます。
耐候性と絶縁性
屋外使用や電気・電子部品の製造現場でも安定した性能を発揮します。
導電性を付加したシリコン材質を取り扱っているメーカーもございますので、シリコンゴムローラーをご検討で、帯電防止機能が必要な場合はご相談下さい。
シリコンローラーの弱点
耐摩耗性はやや低い
シリコンは柔軟性に優れる反面、摩耗や擦れに対する耐久性はウレタンやNBRに劣る傾向があります。
→ 長時間の搬送や研磨工程では、摩耗対策や定期交換が必要です。

シリコン材質は物性が低いのが欠点です。
引裂き強度が弱い
シリコンゴムは伸縮性に富みますが、鋭利な刃や突起物による引き裂きには弱いため、刃先や角材に直接触れる用途には不向きです。
価格が比較的高い
一般的なNBRやEPDM製ローラーに比べると、材料コストが高くなるため、コスト重視の現場では採用が難しい場合もあります。
溶剤・油への耐性が限定的
シリコンは多くの薬品に強い一方で、強い溶剤や油には膨潤することがあるため、化学薬品や油分の多い現場では材質選定に注意が必要です。
シリコンの弱点を補強するカスタム材質も提供
当社では、シリコンゴムメーカーと複数社取引がございます。
メーカーによって、前述のシリコンゴムの「優れた点」をさらに強化したり、逆に「弱点」をカバーする製品も提供しています。
例えば、シリコンゴムの弱点は「物性・強度が低いこと」ですが、これをカバーするような製品を開発・販売しています。
ただし、「耐摩耗性や強度」の弱点をカバーする材質は、「離型性」が通常のシリコン材質より低くなるという相反する性能も付与します。
分かり易いように、例えば5段階評価で、シリコン材質の機能性を製品別でまとめました。
メーカーによって、名称やラインナップ・機能性が異なるため、下の製品種類名称はあくまで仮称です。
シリコン製品の性能表 (例)
※5段階評価:「5」が最も優れていて、「1」が良くない意。
製品種類 | 材質強度 | 離型性 |
---|---|---|
高強度製品 | 5 | 1 |
高強度製品2 | 4 | 2 |
汎用タイプ | 3 | 3 |
高離型製品 | 2 | 4 |
超高離型製品 | 1 | 5 |
表面強度アップにより、離型性ダウンを伴う場合がございます。
ご使用用途によって、性能バランスを考えたご提案をさせていただきます。
具体的な用途例
- 搬送ガイドロール
- ニップロール(フィルムや紙の圧着)
- ラミネートロール
- 接着剤・インク塗布用ロール
- 食品製造ラインでの圧延・搬送
他素材との比較
特性 | シリコンローラー | NBRローラー | ウレタンローラー |
---|---|---|---|
耐熱性 | ◎ (200℃前後) | △ (90~100℃) | △ (70~80℃) |
耐寒性 | ◎ (-70℃前後) | △ (-20℃程度) | ○ (-60℃程度) |
離型性 | ◎ | ○ | ○ |
食品対応 | ◎ | △(対応品有) | △(対応品有) |
シリコンローラーの選び方
- 使用温度域(高温工程か、低温搬送か)
- 必要な硬度(柔らかさ~硬さ)
- 食品衛生対応の必要性
- 接触する材質(フィルム・紙・金属など)
使用環境に合ったローラーを選定することで、耐久性と生産効率が大きく向上します。
過去製作実績のご紹介
中島革ゴムローラー製作所では、これまでに、印刷・製本・食品・電子部品業界を中心に、数多くのシリコンローラーを製作してきました。


φ60×390/400mm シリコン45度
ベアリング内蔵


φ200 × 10mm シリコン30度
食品衛生試験クリア材質


φ20×40mm シリコン70度
参考:特注品 円盤型シリコン着けローラー


主な実績例
- 食品包装メーカー様:高温ラミネート工程向け耐熱シリコンローラー
- 電子部品メーカー様:絶縁性を重視した精密搬送用ローラー
- 印刷会社様:薄紙対応の離型性に優れたシリコンニップロール
→ 特注サイズや特殊形状のご相談にも柔軟に対応しています。
製作可能な硬度は?
硬度は約30度~80度程度の範囲でご提供可能です。
ご用途をお知らせいただけますと、過去実績から適切な硬度のご提案をさせていただきます。
FAQ
- シリコンローラーは食品に使えますか?
-
はい、食品衛生対応のシリコン材質を選べば食品加工ラインでも安心して使用できます。
まとめ
シリコンローラーは耐熱性・耐寒性・食品対応など多くの強みがありますが、摩耗や価格などの弱点も存在します。
用途に合わせて素材を比較検討することで、最適なローラーを導入できます。
シリコン以外の材質について
当社ではシリコンゴム材質以外にも、下のような材質をローラー製品として製造・提供することが可能です。
製造可能なローラー材質
表中にない材質でも製造・提供可能な物もありますので、気軽にお問合せ下さいませ。
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