
こんな方におすすめ
- ブチル材質のゴムローラー製造をご検討されている方
- ブチルゴム材質の特性を確認されたい方
- ブチルゴム材質は、どのような業界や分野に向いているかお調べの方
ブチルゴム材質の特徴
当社ではブチルゴム材質のゴムローラーも製造提供可能です。
当記事では、ブチルゴム材質の特徴をご紹介致します。
世の中のどんな物に採用されている?



ブチルゴム材質は、他の合成ゴム材質と比較して、空気を通しにくいという特徴を有しています。
そのため、「自動車のタイヤ」や、「自転車タイヤのチューブ」、また「スポーツ用のボール」など、空気が抜けては困るような気密性が求められる分野で採用され活躍しています。
また、電気絶縁性・耐コロナ性・耐トラッキング性に優れるため、「電線被覆材」にも採用されています。
その他、工業用品では「コンベヤベルト」や「ホース」など、一般家庭で見ると生活品や家電などの「防振材」や「防音材」にも用いられているゴム材質です。
ブチルゴム材質の優れている点
ブチルゴム材質は、他ゴム材質と比較しても「耐水性」・幅広い「耐溶剤性」に優れており、「耐熱性」・「耐寒性」・「耐候性」も兼ね備えた材質です。
「耐ガス透過性」に優れ、空気が抜けにくいため、自転車のチューブなどに採用されています。
後述する弱点もあるため、ゴムロール活用シーンと照らし合わせて、採用をご検討下さい。

耐熱性
約120度程度の耐熱性がございます。
一般的なウレタンゴム材質が80度程度のため、ブチルゴムの方が耐熱性に優れています。
NBR材質が100~120度程度で、ブチルゴム材質はNBRと同等、もしくはそれ以上と評価できます。
耐寒性
約-30~-60度程度の耐寒性がございます。
汎用性が高いNBR材質の耐寒性が約-10~-20度程度のため、耐寒温度が-30度以上になる場合にブチルゴムが選択肢の1つとなるでしょう。
耐候性・耐オゾン性
耐候性・耐オゾン性に優れています。
ゴムローラーの屋外利用が必須な場合は、ブチルゴム材質は選択肢の一つです。
ブチルゴム材質のデメリット
耐油性が低い
耐油性が低いため、例えば油性インキを使用する印刷・版画などでは利用しにくい材質となります。
汎用性NBR材質より高価
当社で提供数が多い、一般的な「NBR」材質と比較して、「EPDM」材質はコスト的に割高になる場合がございます。
ただし、ご使用用途にもよりますが、ランニングコストの観点で考えると「NBR」材質よりも長期的にお使いいただけるようなケースであれば、割りに合うかもしれません。
製造技術面で加工性があまり良くない
もともとの性質として他のゴムと比較すると、架橋反応速度が遅いです。
またポリマーの状態で腰が強く、金属との接着性が低かったり、他のゴム材質との混合性も悪いなどの点から、ロールへの加工性があまりよくない材質とも言えます。
ご提供可能な硬度

硬度は15度~70度まで製作可能で、5度ずつ指定していただくことが可能です。
硬度が80度・90度のブチルゴムローラーは対応できないため、同程度の硬度が必要な場合は、「NBR」・「ウレタン」・「EPDM」などのゴム材質が選択肢となってきます。
製作納期
メーカーにもよりますが、一般的に約30~40日程度の製作日数が必要です。
表面加工




「EPDM」材質のゴムローラー表面に、上のイメージのような溝を切るなどの加工を施すことが可能です。
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